徳川斉昭公書状

拜啓、夏弥相催し候ところ、先ずもって御旅中御滞り無く御着後、御礼も済ませられ大慶し奉り候。
猶又、時気御保護在らせられたく、御祝儀かたがたかくのごとく御座候なり。

三月念六   斉昭拜上

尾州公玉案下

二啓、先頃相願ひ候雁、御国許より沢山御投恵忝き仕合せ、近頃まで蓄へ置き賞味仕り候。厚誼感謝に堪へず候。この領所の鱒、当節馳問の微意に候、不既。

2020年7月18日 古文書専門店

古文書の虫害

徐々に涼しくなってきました。こういう時節は、古文書の手入れが捗ります。

今日は虫に喰われて開かない日記の手入れです。まだ虫が生きているのかどうか、外見からは分らず、放って置くとさらに喰われてしまうかもしれません。少し前から気懸りだった文書です。

さて、虫に喰われた古文書は、およそ虫穴の縁が癒着しているものです。

これを剥がすとき、パリッと乾いた感触でスラスラと剥せるなら、さほど難しくはありません。剥がすとき、パリッと剥がれず湿った感触で紙が引き吊るときは、手を止めた方が良いです。どちらにしても、決して無理に引っ張らないよう注意します。

剥がす時は焦らず慎重に、時間は幾らかけても良いという心持ちでゆっくりと剥がしていきます。また、剥がせそうになければそこは諦めて置く、といった選択もありです。文書の傷みが現状より進まないことこそ肝要です。

虫に喰われたところを剥がしていくと、虫のフンが散ります。その都度払っても良いですが、一枚一枚剥がしていくうちに穴から穴へフンが散らばりますから、最後に刷毛で刷く方が良いかもしれません。

シバンムシの残骸です。右端は脱皮(抜け殻)。

シバンムシは成虫になると、外界を求めて脱出します。梅雨のはじまり頃が脱出期でしょうか。
この残骸は、文書から脱出すること叶わず、そのまま骸となったものたちです。

また、古文書の上下端に注目すると分るように、端から幼虫が侵入して喰っています。
つまり、突如として内部に虫が発生するのではなく、外部から侵入しているのです。

虫に喰われた文書と、健全な文書とを一緒くたに収納して置くのはやはり危険なのでしょう。

今日は五冊の日記を手入れしました。

2018年9月12日 古文書専門店

犬養木堂書翰を見る

犬養木堂の書」を編集の節、某雑誌掲載の書翰を眺めていると、何やら訳文が可笑しいことに気付き、ちょっと訂正。

圏点は誤字又は脱字です。
犬養木堂翁の特集にも関わらず、この訳文は...

訂正すると下記の通りです。

2018年4月25日 古文書専門店